2021年4月9日(金)
著者のカルミネ・アバーテは南イタリアの小村カルフィッツィ出身、15世紀末オスマン帝国の支配から逃れてきたアルバニア人達が入植した土地である。アルバレシュ共同体と呼ばれ、シチリアやカラブリアなど南イタリア各地に存在し、アルバレシュ語(アルバニア語の変種)が話される。
南イタリアは石灰岩台地で土地が痩せており、入植し開拓しても農業だけでは食べていけない。大人の男は誰でも、家族を養うため北フランスやドイツへの出稼ぎにいく。哀歓交錯する物語、栗原俊秀氏の翻訳が良く、東北の、津軽の男達を彷彿させる。