楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

池内紀著「世間を渡る姿勢」

2021年8月8日(日)
池内紀著「池内紀の仕事場 (8) 世間を渡る姿勢」を読了。その中の一節「遊びをせんとや」に、深田久弥選定の百名山に触れた部分が出てきます。
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『登山というのは山と遊ぶことなのだが、「百名山」などといわれる目的ができてからおかしくなった。「三日で二つ稼ぎました」、鼻息が荒い。すでに何十座制覇したとか、おそろしい言葉が平然と口をついてでる。先日、うっかり、その一つの登山口の宿に泊まったばかりに難儀した。イモの子を洗うように込み合っていて、だれもがそそくさと食べ、そそくさと床につき、夜明けとともにいっせいに登りだした。方向を転じて一つ隣の山に登ったら、人の影もなく、トンボが無数に飛び回っていて、(後略)』
私も池内流山歩きに賛同します。山の楽しみ方は人それぞれなので、説教くさい事を言うつもりも、自分の流儀を押し付けるつもるもありませんが、わざわざ日本全国に出かけて行って、直行直帰のようなピークハントだけでは余りに勿体ない。鳥獣との出逢いを楽しみ(時にはクマ、イノシシ、スズメバチにも遭遇します😅)、樹木や草花を愛で、果実、山菜、きのこ、渓魚など山の恵みに感謝して、下山したら麓の温泉に浸るなど、山の自然にどっぷり浸かり、自由自在に楽しめるようになるのが理想です。埼玉県秩父郡小鹿野町在住の達人・吉瀬総さんのホームページ「山と渓ときのこと酒と」や、茨城県の山を隈無く歩いているひたちなか市在住の名人・下山和彦さんのブログ「山で遊ぼう」は大いに参考になります。