楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

「ザリガニの鳴くところ」

2021年11月29日(月)
ディーリア・オーエンズ著、友廣純訳「ザリガニの鳴くところ」読了。
2021年本屋大賞 翻訳小説部門第一位、全世界1000万部突破の大ベストセラーというので読んでみました。
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著者の故郷、ジョージア州の海岸湿地を舞台にしたミステリー小説ですが、ミステリー自体の組み立ては単純、但し、著者の本業は動物学者なので、湿地に生息する哺乳類、鳥類、昆虫、原生動物、樹木、草本、きのこなどを生き生きと登場させて、物語に潤いと奥行きと深みを与えています。差別と偏見を問題視する社会派小説とも、陸と海の生物の緩衝地帯、海岸湿地の自然環境保護を扱う小説とも言えるし、なかなか読ませます。星4つ。