楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

司馬遼太郎著「峠(下)」

2022年1月6日(木)
最後の侍(ラスト・サムライ)、北越戊辰戦争を武士道倫理を貫いて闘った長岡藩の家老、河合継之助を取り上げた作品「峠」を読み終えました。
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長岡藩の悲劇は、新政府軍の最大討伐目標の会津藩と隣国・前国であったという地理的要因にあるでしょう。同じ徳川譜代大名家同士、隣藩のよしみ等義理人情に縛られて降伏のタイミングを見失い、奥羽列藩同盟に与(くみ)して滅びの道を歩んでしまう。戦後処理で長岡藩は7万4千石から2万4千石に減封されたが、著者「あとがき」には、その事実や後の長岡藩民の河合継之助に対する怨嗟の声にも触れてもらいたいと思いました。美化すべき人物なのかどうか、組織の経営者なら失格でしょう。