2022年2月20日(日)
1842年、チェコスロバキアのピルゼン(プルゼニ)市の醸造所で誕生した下面発酵淡色ビールが、現在では全世界で生産されるビールの70~80%と主流を占めています。「PILSNER URQUELL」は元祖ピルスナービールの意味、それを社名に冠したピルゼン市のビール会社、ピルスナーウルケル本社工場(以下PU社)は、ビール屋にとっては聖地の様なところです。
まだ共産党独裁政権下だった1988年(1989年11月のビロード革命により民主化)、チェコ産ザーツホップを納入していた商社の仲介があり、技術協力という名目で、技術開発部長と私を含めたスタッフ2名の計3名が訪問、ビール工場の省エネ技術に関する講演の後、VIP待遇で、中東欧最古のプラハ・カレル大学、ビール博物館、ボヘミアのガラス工房、温泉保養地のカルロビ・バリなどを見学・巡遊しました。その時頂いたのが、写真の樽型木製ビアジョッキです。
そんな縁もあったのですが、独裁政権の強気な要求の数々に、いつの間にか技術協力も立ち消えてしまい、今やPU社はアサヒビールの子会社です(2017年3月、SABミラー社がアサヒビールにPU社を譲渡)。残念ですがこれも時代の流れ、仕方がありません。