楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

ハインリヒ・ハラー著「セブン・イヤーズ・イン・チベット」

2022年3月5日(土)
私の愛読書である「チベット旅行記」の著者、河口慧海同様、オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラー鎖国状態にあった禁断の国チベットに潜入し、7年間を暮らして国体と習俗を具に体験、帰国後の1952年、世界に紹介した労作。
f:id:rakuzanrakusui:20220222091537j:plain
一月前の2月1日にブラピ主演の同名の映画を観たので、原作(福田宏年訳)も図書館から借りて読んでみました。
1950年秋に起きた中国軍のチベット侵攻に伴い、11月ハラーが丸5年間を暮らした拉薩(ラサ)を離れる場面、翌12月ダライ・ラマ14世がインドに亡命する場面で本書は終わっています。それから70年経った今も尚、チベットは中国に支配されたままで、インドのダラムサラに逃れたダライ・ラマ14世と、チベット民族の受難は続いています。
そして、まさか21世紀の今日、世界平和に責任ある国連常任理事国のロシアが、武力で隣国ウクライナに侵攻する戦争が起きるとはまさに悪夢ですが、プーチン大統領が一刻も早く正気に戻ることを祈るばかりです。同じ常任理事国の中国が仲介役になれれば、ロシアが鉾を納める可能性がありますが、チベット族やウィグル族に全く同じ事をやっているし、又、台湾侵攻も虎視眈々と狙っているので、残念ながら期待出来ないでしょう。