楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

黒川創著「ウィーン近郊」

2022年5月18日(水)
黒川創著「ウィーン近郊」読了。タイトルに惹かれて読みました。表紙を飾るのは世紀末の画家エゴン・シーレの代表作「死と乙女」。

ウィーンは2010年4月の中欧旅行の最後に滞在中、アイスランドの火山爆発により一週間の延泊を強いられ、色々思い出のある街。作中に出てくるヴォティーフ教会、中央墓地、

国立オペラ座

ブルク劇場、

ウィーンの森の麓の葡萄畑、

ベルベデーレ宮殿オーストリア・ギャラリー、

リング通り、トラムなど、全て懐かしく読みました。
作品自体の内容は、ウィーンで四半世紀を暮らす孤独な日本人中年男性が鬱病により自殺、連絡を受けた唯一の肉親である妹が、ウィーンに駆け付け、在オーストリア日本大使館の領事や兄の会社の同僚の支援を受けながら、現地で葬儀を済ませるまでを淡々と描いたものです。何がどう優れているのか分からなかったので、同じ著者の読売文学賞受賞作品「かもめの日」をもう一作読んで見る積もりです。