楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

中村哲著「医者井戸を掘る」

2022年8月28日(日)
中村哲著「医者井戸を掘る アフガン旱魃との闘い」読了。著者は1946年福岡市生まれ、九大医学部卒の医師、1984年以来パキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任、20年以上に亘って、ハンセン病を中心とする医療活動に従事。

又、隣接するアフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードに活動を拡大し、そこでは干魃に苦しむ人々に「医療よりも先ず命の水を」与えるべく、2003年頃から用水路の整備や数多の井戸を掘削することに注力、約10万人の農民が難民化せず、地域で暮らして行ける基盤を造った。
その私無き善意の活動は、地域住民はもとより、アフガニスタン政府、反政府活動組織(当時)のタリバンにも理解され、感謝されていた筈であるが、2019年12月4日車で移動中に、武装勢力パキスタンタリバン運動(TPP)に襲撃され、その凶弾に倒れて無念の死去。
タリバン内部にも色々な勢力があって決して一枚岩ではなく、又、中村医師らの活動により利益を受ける地域住民があれば、それを妬む他の地域住民も生まれる、国際援助活動は一筋縄ではいかず、誠に難しい。