楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

根深誠著「風の瞑想ヒマラヤ」

2022年10月12日(水)

著者40歳の時(1986年-87年)のアジア辺境旅行記。第1章が「西域の旅」として、パキスタンのラワルピンディをスタートして、ギルギット、クンジェラブ峠を越えて中国に入りカシュガルから天山南路をトルファンウルムチへ。更にホータンやカシュガルへ行ったり戻ったりしてから、敦煌、ゴルムド経由拉薩(ラサ)へ。

第2章が「天上の道」として、第1章の続きのゴルムドから拉薩へ。ラサに長期滞在し、ポタラ宮、ガンデン=ゴンパ等のチベット僧院、鳥葬などを見学、その後、中尼友誼道路で、ギャンツェ、シガツェ、サキャ、ティンリ経由でネパールの首都カトマンズへ出るところで終わる。

タイトルの「風の瞑想ヒマラヤ」に惹かれて読んでみたが、旅の途中から知り合ったオランダ人女性との思わせ振りなやり取りが多く、やや女々しく看板倒れであるけれど、ともかく写真は素晴らしい。ただ文庫本なので写真が小さいのが惜しまれる。本書によると、当時(1980年代後半)の西域には、欧米人や日本人の自分探しの旅人が、相当数うろうろしていた事が分かる。根深誠もその一人、辺境旅行記等を綴るフリーライターでも目指していたのであろうか?。その後、青秋林道の建設反対運動を立ち上げ、白神山地世界自然遺産登録に貢献、保護・保全活動に従事する中で、白神山地に関連する著作物が増えていく。人生、何が幸いするか分からない。