楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

色川武大著「狂人日記」

2023年2月11日(土)

色川武大(1929年-1989年)著の第40回読売文学賞受賞(1988年)作品「狂人日記」読了。

幻聴・幻覚が絶え間なく現れる閉ざされた世界で、じりじりと自分を追い詰め、また、健常者の世間から追い詰められていく、精神を病む五十男の主人公、半ば自叙伝、半ば創作か、閉塞感半端ない、やりきれない物語。色川武大は、阿佐田哲也名の麻雀小説作家としても有名であるが、永年ナルコレプシー(眠り病、過眠症)に悩まされ、最晩年は一関市に転居、移住後間もなく心筋梗塞を発症し、宮城県栗原郡瀬峰町の県立瀬峰病院(後の栗原市の県立循環器病・呼吸器病センター、現在は閉鎖)にて死去。才人であったが無頼派で、破天荒な人生を送り、忽然と逝く。