2023年2月25日(土)
第165回(2021年)芥川賞受賞作、李琴峰(り ことみ)著「彼岸花が咲く島」読了。著書は1989年台湾生まれ、2013年来日し、早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程終了。
母語(は中国語)でもない日本語で小説を書き、芥川賞を射止めるほどの才媛。
絶海の孤島(架空の島と断りがあるが、多分与那国島)に生きる、2人の少女と1人の少年が織り成すファンタジー。作中に、侵略戦争、人種差別、民族浄化、LGBT、人権、共同体、家族など、色々な問題が内包されているようであるが、文章は日本語、沖縄方言(与那国語?)、中国語、英語のチャンポンで構成され、ぎくしゃくして非常に読みにくい。「あなた書いてみなさい」と言われると困るが、これが芥川賞?。
日本最西端の与那国島と台湾の距離は111km、与那国島と沖縄本島のそれは509km。台湾出身の著書は来日以前から与那国島に親近感を抱いていて、本作の舞台に選んだのかも。