楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

きのこの世界の牧野富太郎

2023年8月18日(金)

現在放映中のNHKの連続TV小説「らんまん」の主人公、牧野富太郎博士は、日本植物分類学の父と謳われ、尊敬されていますが、きのこの世界にも、生涯一兵卒というか、1960年~1984年の25年間、東京都立衛生研究所に勤務する傍ら、休日はもとより平日の朝晩までも、きのこの採集・観察・図版製作・研究に当て、60歳の退職後の10年間は更に拍車がかかり、1994年70歳の時に、とうとう前人未到の成果物「日本きのこ検索図版」を纏めあげた、在野の、アマチュアの、凄い研究者がおります。

千葉菌類談話会通信第24号(2008年)で詳しく紹介されている青木実(あおき みのる)さんがその人、興味と関心のある人は、是非、千葉菌類談話会のホームページ(http://chibakin.la.cococan.jp)から、該当記事をご一読ください。青木氏のきのこ関連資料は上記検索図版を含め全てが、1998年に千葉菌類談話会に寄託されており、その際に千葉菌類談話会腰野会長(当時)はじめ幹部がお宅に伺いインタビューをした内容の記事、腰野文男会長「青木資料をいただいた時の話」、吹春俊光事務局長「青木資料が千葉に引越しをした頃の話」、高橋博幹事「青木実:インタビューで明らかになったこと」、浅井郁夫幹事「日本きのこ検索図版のこと」、の4本が日本きのこ検索図版誕生秘話として興味深く纏められています。

青木実さんはきのこ好きの人から見れば神様のような人、もっと光が当てられ顕彰されて良い人ですが、、。ちょっと前まで、きのこはマイナーな世界、例えプロの菌類学者であっても、身過ぎ世過ぎは容易でなく、ましてやアマチュアの研究家などは奇人変人扱い、今なら株式会社ホクトや雪国まいたけの研究所長が三顧の礼をもって迎えてくれたかもしれませんが、さぞご苦労の多い人生であったのではと拝察いたします。一度お会いしたかったのですが、、今でもご健在なのでしょうか。