2024年4月25日(木)
ヘンリー・D・ソロー著、今泉吉晴訳「ウォールデン 森の生活(上)」読了。以前、小学館発行の同名の単行本を読み始めたものの途中で挫折、気を取り直して小学館文庫で再読し、とりあえず上巻。
ヘンリー・D・ソロー(1817-1862)はアメリカの作家・思想家・詩人・博物学者。ハーバード大学卒で当時のエリートであろうが、生涯定職に就かず、時に教師、測量士などのアルバイト、今で言うフリーター、高学歴難民である。生まれ故郷のマサチューセッツ州コンコード村の森の中、ウォールデン池畔に山小屋を建て、1845年7月から1847年9月まで2年2ケ月をほぼ自給自足で実験的に暮らす。仙人や世捨て人や修験者というのではなく、知足安分のナチュラリスト、究極のミニマリストであり、高等遊民である。アメリカ大陸先住民(インディアン)の、自然と折り合いをつけて生きる生活を理想とし、「人は、誰のためでもない、なんのためでもない、己の魂のいうとおり、すべては自分のために生きるべき」というのがソローの結論であるが、、。地球の人口は今や80億人に増え、大多数の人々は、縄文時代人のようには、もはや生きられない。