2024年1月22日(月)
ビジネス本はめったに読まないけれど、このところ紀行文ばかり続いたので、気分転換に。
永井隆著「キリンを作った男 マーケティングの天才・前田仁」読了。
自伝の自費出版ならともかく、キリン社にジャーナリストに伝記を書いてもらえる社員が居たことに吃驚。タイトルはやや大袈裟だが、、。前田仁氏は本書の刊行(2022年5月30日第1刷発行)を見ることなく、2020年6月、享年70歳で逝ってしまった。
本書で前田仁氏は、ハートランドを手始めに、一番搾り、淡麗、淡麗グリーンラベル、のどごし生、氷結と、メガヒットを連発した伝説のマーケターとして取り上げられている。著者はビール産業の取材を30年以上も続けているらしく、前田仁氏とも濃密な親交があったのかも。
それにしても、この手の本は何部売れるのだろう。読者はどんな人?、キリン社員が関連会社を含め全員が1冊買ってもせいぜい3万部に過ぎず、商売が成り立つのかな?。
私が技術開発部所属の1986年、横浜工場にあるパイロットプラントによる試験醸造を繰り返し、ハートランドの中味開発を詰めていったが、その時がマーケティング部のハートランド商品化プロジェクトチーム、リーダー上村修二氏、メンバー前田仁氏、太田恵理子氏との馴れ初め、3人とも本書に登場するが、当時何度も遣り取りをした仲なので懐かしい。登場人物が旧知で、社内事情に通じていれば、臨場感があり、興味深く読めるけれど、部外者や第三者にはどうだろうか?。