楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

高田宏著「言葉の海へ」

2024年3月25日(月)

高田宏著「言葉の海へ」読了。久しぶりに良い本に出合いました。日本初の近代的国語辞書「言海」を独りで編纂し、17年間を費やして、とうとう明治24年(1891年)に完成させた気骨の言語学者大槻文彦(1847-1928)の伝記、特に仙台出身者には必読の書、お勧めします。😊

大槻文彦仙台藩江戸住まいの儒学者大槻磐渓の三男であり、蘭学者の祖父玄沢は仙台藩江戸詰めの医者という学者の家系。

亀井勝一郎賞・大仏次郎賞受賞作。

学校の日本史では詳しく学ばなかった江戸末期から明治初期にかけての近代国家形成の激動の歴史を知る上でも好著であり、又、磐井川、厳美溪、焼石岳栗駒山など故郷の山河、勾当台など仙台の地名が出てきて懐かしく読めました。

次回帰省したら、松島湾に浮かぶ浦戸諸島寒風沢(さぶさわ)島を訪ねる予定ですが、本書に依ると、曽てそこには伊達藩の造船所があり日本初の洋式軍艦「開成丸」が造られた由、お陰で帰省する楽しみがひとつ増えました。