楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

千葉県立中央博物館講演会

2023年7月23日(日)

昨日、令和5年度 千葉県立中央博物館講演会の第一回「菌類から生物多様性を考える」を聴講するため10:00出発。柏市の自宅から片道約40kmだが、国道16号線は渋滞するため2時間かかる。

12:00到着、講堂前のロビーで持参の昼食を食べ、受け付けを済ませて会場入り。千葉菌類談話会事務局長の吹春先生と奥様に挨拶、4年ぶりの再会であるが、お二人とも益々お元気そうである。出席者は50人ほど、千葉菌類談話会の友人には残念ながら出会えず。

講演1は「ナラ枯れのメカニズムと防除の実態」、演者は東京大学千葉演習林、教授・林長の鎌田直人氏、講演2は「南房総地域で発生したナラ枯れ被害」、演者は東京大学千葉演習林、林長補佐・講師の楠本大氏。

13:15~15:45まで、今では青森県まで北上し、北海道を除き日本全国に蔓延したブナ科樹木の枯死・ナラ枯れについて、じっくり拝聴しました。

ナラ枯れは、ゾウムシ科の甲虫、カシノナガキクイムシ(略称:カシナガ)が運ぶ糸状菌Raffaelea quercivora(通称:ナラ菌)が原因。カシナガが幹に穿孔して孔道(巣穴)を掘る際に、カシナガの体表面に付着しているナラ菌が辺材中に運ばれ、内部で増殖して辺材細胞の壊死を引き起こす。辺材の壊死が広範に及ぶと、導管が通水機能を失うため、萎凋症状を起こして枯死に至る由。

山形県尾花沢市の山菜・きのこ採り名人Kさんから聞いた話では、奥羽山中の翁峠では、秋遅くナラ枯れミズナラにびっしりナメコが付くとのこと、さぞ壮観な景色でしょう。

南房総市の御殿山山頂に聳えるマテバシイの巨樹が、10年ほど前にナラ枯れ?のせいか枯死してしまい、切り倒されて、その倒木にその後数年間シイタケが大発生、何回かシイタケ目当てに春に登りました。

私の住む柏市の公園でも、数年前からシラカシの立ち枯れが目につくようになり、それもナラ枯れかも。樹勢の衰えたシラカシにはヒラタケが上から下まで豪勢に発生しているのを見かけることがあります。

ナラ枯れを逆手にとって、枯死木を一級食菌の原木栽培に転化・利用する事が出来れば、カシナガも害虫から益虫に出世するのですが。

15:30総合質疑が始まる前に中座・退室、同じ道を走って18:00漸く帰宅。帰宅後、畑に行くつもりだったのですが、時間が遅いし、慣れない座学で疲れたので止めました。😆