楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

ダライ・ラマ著「チベットわが祖国」

2023年1月28日(土)

14世ダライ・ラマ著、木村肥佐生訳、「チベットわが祖国」読了。初めは、柏市立図書館から借りて読み始めたものの(写真上)、手元に置いて、じっくり読むために、アマゾンで購入し(写真下)、蔵書に加えました。😊

1962年に、ダライ・ラマ14世(1935年~)によって書かれた自叙伝の、チベット研究家にして亜細亜大学アジア研究所教授の木村肥佐生(きむらひさお)氏による訳出全文、1985年出版。

1949年の中国による東チベットへの武力侵略に始まり、1959年のチベット民衆による全国的反乱(チベット動乱、チベット蜂起)と中国の弾圧、同年3月17日の14世ダライ・ラマの拉薩(ラサ)脱出とインドへの亡命までが、生々しく記述されている。

その後、インド西北部のダラムサラに亡命政府を樹立し、強大な共産中国と対峙すること60年余、その間の1989年、非暴力による祖国解放運動が評価されノーベル平和賞受賞。精力的に世界各地に平和希求の行脚を続け、まるで釈尊の化身のような14世ダライ・ラマ猊下も今年は早88歳の高齢、習近平(今年70歳)よりも長生きしてほしいけれど、存命中に悲願のチベット独立を果たせるかどうか、残された時間は少ない。

チベットに続くウィグル族への弾圧、香港民主派と台湾への弾圧、一帯一路に名を借りた債務の罠による発展途上国支配等、近年の中国の剥き出しの野望は露骨で果てしなく、果たしてこの先どうなるか。50年後、100年後には人口2大大国の中国とインドが、世界の超大国となり、嘗ての米国・ソ連のような覇権争いを演じているかも知れぬ。地球はますます息苦しくなる。