楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

牧野富太郎著「牧野富太郎自叙伝」

2023年8月8日(火)

現在のNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公、牧野富太郎の自叙伝を読了。95年の生涯を一兵卒の植物学者として、植物分類学に捧げ、採集した標本は60万点、命名した植物は2千5百余という、巨人が綴った生涯。

年譜を見ると、1884年明治17年、23歳)から東京大学植物学教室に出入りを許され、1893年明治26年、32歳)東京帝国大学理科大学助手を拝命、1912年(明治45年、51歳)同講師、その後1939年(昭和14年、78歳)で講師を辞任するまで、47年間の長きに亘り、薄給で、東大に奉職したことが分かる。

集大成の「牧野日本植物図鑑」等はともかく、植物の観察・採集、標本作成、鑑定・同定、作図・論文作成に終始した生涯は地味そのもの、ドラマチックなイベント等はないので、NHKの朝ドラに仕立てるには大胆な脚色が欠かせず、脚本家はさぞ苦労したことであろう。

自叙伝は繰り返しが多く、読みやすいとは言えないし、作家ではないので、読ませる巧みさもない。ま、それはさておき、年譜から、牧野博士は東北の名峰、早池峰山(1929年、68歳)と鳥海山(1930年、69歳)に植物採集登山に出かけた事も分かる。どちらの山も私はまだ登っていないので、歩ける体力が残っているうちに山頂まで往きたいのだが、果たしてどうなりますか。