楽山楽水日記(Ⅱ)

仙台市出身、今は柏市に住んでいます。旅行や山歩き、山菜やきのこ採り、家庭菜園、釣りなど、楽隠居の日々を綴ります。

オタ・パヴェル著「美しい鹿の死」

2023年6月9日(金)

オタ・パヴェル著、千野栄一訳「美しい鹿の死」読了。著者は1930年、ユダヤ人の父親とチェコ人の母親のもとプラハに生まれる。チェコスロバキア放送に入り、スポーツ記者として活躍していたが、1971年本書を発表するやいきなりベストセラーとなり、カレル・チャペック(1890-1938年)(大戦間のチェコスロバキアで最も人気があった国民的作家)の再来と評価され、一躍文壇の寵児となった。

本書は、自然と釣りをこよなく愛し、ナチスの迫害にめげずに逞しく生きた父親を描いた作品である。著者は人気絶頂の1973年、忽然と謎の死をとげる。

1988年訪問時に、プラハを案内してくれた、「プラハ幻景」の著者、女流作家のヴラスタ・チハーコヴァさんは、今でもご健勝であろうか。